ユーザーマニュアル

AIエージェントセッション

この章では、VelaTerm が AI コーディングエージェントを種類別のセッションとして実行するしくみを説明します。対応エージェント、リアルタイムのステータス、会話の自動再開、会話のインポートとフォーク、権限モード、起動設定、インストールガイド、Info パネルを扱います。会話ビューについては、別の章の会話ビューで説明しています。

1. 対応エージェント

VelaTerm は次のエージェントを起動できます:Claude Code(「Claude」と表示)、Codex、OpenCode、Copilot、Cursor、Antigravity、Cline、Pi、OMP、Crush、Kimi Code、Kiro、Grok Build、Zoo Code。各エージェントの CLI をインストールし、ログインしておく必要があります。

エージェントによって、利用できる機能が異なります。

エージェントステータスの報告「対応が必要」の状態再開フォーク権限の制御会話ビュー
Claude Codeエージェントが報告✅✅✅5つのモード✅
Codexエージェントが報告✅✅✅3つのモード✅
OpenCodeエージェントが報告✅✅✗2つのモード✅
Copilotエージェントが報告✅✅✗スキップのスイッチ✗
Cursorエージェントが報告✗✅✗スキップのスイッチ✗
Antigravityエージェントが報告✗✅✗スキップのスイッチ✗
Clineエージェントが報告✗✅✗スキップのスイッチ✗
Piエージェントが報告—✅✅なし(Pi は確認を求めません)✅
OMPエージェントが報告✅✅✅スキップのスイッチ(会話ビューでは2つのモード)✅
Crush一部はエージェントが報告、一部は画面から読み取り✅✅✗スキップのスイッチ✗
Kimi Codeエージェントが報告✅✅✗スキップのスイッチ✗
Kiroエージェントが報告✗✅✗スキップのスイッチ✗
Grok Buildエージェントが報告✅✅✗スキップのスイッチ✗
Zoo Code画面から読み取り✅✅✗スキップのスイッチ✗
  • エージェントが報告とは、作業の開始、ユーザーの対応が必要になったこと、作業の完了をエージェント自身が VelaTerm に伝えることを指し、ステータスは正確です。Codex は、バージョンがライフサイクルフックに対応していればすべての段階を報告し、古いバージョンではターンの終了時にのみ報告します。「対応が必要」の列が ✗ のエージェントは質問や権限の確認を報告しないため、ターンが終わるまでセッションは「作業中」と表示されます。
  • 画面から読み取りとは、VelaTerm がエージェントのターミナル画面からその状態を認識することを指します。
  • Copilot、Cursor、Antigravity、Kimi Code、Kiro、Grok Build では、これらのセッションを初めて起動したときに、VelaTerm がエージェントのユーザー設定に独自の項目を追加します。エージェントを VelaTerm の外で実行した場合、これらの項目は何の影響も与えません。
  • 通常のターミナルでユーザーが自分で起動したエージェントには影響しません。ステータスの報告は、VelaTerm が起動したエージェントセッションにのみ適用されます。

2. エージェントセッションの作成

  • コンテキストメニュー。 プロジェクト、グループ、セッションのいずれかを右クリックします。メニューの第1階層には3つのエージェントが表示されます。最初は Claude、Codex、OpenCode で、その後は最近作成した3種類のエージェントに変わります。「その他のエージェントセッション」には、すべてのエージェント、保存済みのプリセット、「起動引数を指定して新規…」「エージェントセッションを新規作成」(検索可能なピッカー)があります。
  • エージェントセッションの新規作成ピッカー。 macOS では ⌘N(Windows、Linux、通常のブラウザでは Ctrl+Alt+N)で、エージェントとプリセットの検索可能な一覧が開きます。最近選んだ項目には「前回使用」と表示されます。設定とショートカットの§9 を参照してください。
  • 子セッション。 セッションの「新規子セッション」サブメニューを使うと、そのセッションの下に新しいセッションを作成できます。会話の中からセッションを起動することもできます。セッションの生成とGitによるコラボレーションを参照してください。

起動引数を指定して新規… を選ぶと、ダイアログが開きます。ダイアログでは、エージェントの種類(「エージェント種別」)、任意の名前(「セッション名(空欄で自動命名)」)、「起動引数(任意)」、このセッションだけで使う代替の実行ファイルを指定する「実行ファイル(任意)」、権限の設定、両方のビューに対応するエージェントの「表示形式」(「ターミナルビュー」または「会話ビュー」)、「Worktree」の選択を指定します。「プリセットとして保存」を使うと、これらの設定に名前を付けて保存でき、アイコンも任意で設定できます。プリセットはメニューとピッカーに表示され、保存した実行ファイル、引数、権限の設定で起動します。

Claude、Codex、OpenCode、Pi、OMP のセッションはデフォルトで会話ビューで開き、その他のエージェントはターミナルビューで開きます。この動作は、「設定」▸「エージェント」▸「既定のビュー」でエージェントごとに変更できます。

3. ステータスドット:作業中のセッションと対応が必要なセッション

各エージェントセッションの横にある点は、リアルタイムで更新されます。

ドット意味
緑(点滅)作業中
黄(点滅)対応が必要:質問または権限の要求
黄(波紋)、行に黄色のバー未読:他の画面を見ている間に、エージェントが作業を終えたか質問した
マゼンタ返答があり、確認済み
青実行中だが、エージェントの活動が報告されていない
赤エラー
グレーステータスを取得できない

エージェントがユーザーの対応を待って停止すると(質問、権限の要求、ターンの終了)、システム通知が届き、セッションに未読のマークが付き、Dock のバッジの数に加わります。そのセッションをすでに表示している場合、通知は表示されません。署名済みの macOS 版では、通知をクリックするとそのセッションが開きます。ステータスバーの「Notify: On/Off」項目で、システム通知のオンとオフを切り替えられます。オフにしても、未読のマークとバッジは残ります。バッジがある場合は、サイドバーのヘッダーにすべてのバッジを消去するボタンが表示されます。

ステータスバーの「作業中」「対応待ち」「確認済み」のカウンターを使うと、サイドバーをその状態のセッションだけに絞り込めます。インターフェースとセッション管理の§6 を参照してください。

4. 自動再開:閉じて開き直しても会話が続く

考え方を一言で表すと、ツリー内の各エージェントセッションノードは、1つの継続した会話です。

  • 初回の実行時に、VelaTerm はエージェント自身の会話 ID を記憶します。
  • その後は、タブを閉じた場合でもアプリを終了した場合でも、ノードを再び開くと同じ会話が続きます。再開の前に、VelaTerm は会話がまだ存在するかを確認します。会話が削除されていた場合は、エラーにせず、新しい会話としてセッションを開始します。
  • 新しい会話を始めるには、新しいセッションノードを作成します。会話ビューで /clear を使うと、そのセッションが同じ場所で新しい空のセッションに置き換わります。

新規セッションのメニューの末尾にあるセッションを再開… では、既存の会話(たとえば通常のターミナルで実行した会話)を追加できます。「エージェント種別」を選び、エージェントの会話 ID を貼り付けて、「再開して開く」を選びます。§1 のすべての種類のエージェントを、この方法で再開できます。

プロジェクトのコンテキストメニューにあるセッションをインポート… では、作業ディレクトリがプロジェクトのディレクトリと完全に一致する、既存の Codex、Claude、OpenCode、Kiro の会話が一覧表示されます。タイトル、エージェント、セッション ID で検索し(「タイトル、エージェント、セッション ID で検索」)、行を選択して「インポート」を選びます。会話はプロジェクトツリーに追加され、開くとその会話を続けられます。インポートしても、エージェント自身の履歴がコピーされたり変更されたりすることはありません。アーカイブ済みのものも含め、すでに VelaTerm にある会話には「インポート済み」と表示されます。サブディレクトリや別のワークツリーにある会話は、そのディレクトリを独立したプロジェクトとして開いた場合にのみ表示されます。Kiro の履歴は、テキストのみの記録であれば閲覧できます。リモートの VelaTerm に接続している場合、一覧はリモートのコンピューターから取得されます。

5. フォーク:会話を分岐させる

会話がすでにある Claude、Codex、Pi、OMP のセッションでは、右クリックして「セッションをフォーク」を選びます。元の会話の現在の履歴から始まる兄弟ノードが作成され、元の会話は変更されません。git のブランチに似たしくみです。同じコンテキストから2つのアプローチを試すときに使います。

6. 権限

権限の設定によって、エージェントがユーザーに確認せずにどこまで操作できるかが決まります。

  • Claude、Codex、OpenCode には、名前付きのモードがあります。Claude は「計画モード」「毎回確認」「編集を自動承認」「自動判定」「確認なし」、Codex は「読み取り専用」「自動判定」「フルアクセス」、OpenCode は「毎回確認」「確認なし」です。
  • Copilot、Cursor、Antigravity、Cline、OMP、Crush、Kimi Code、Kiro、Grok Build、Zoo Code には「すべての権限確認をスキップ」という1つのスイッチがあり、オンにするとエージェント自身の確認スキップオプションを付けて起動します。会話ビューでは、OMP に「毎回確認」と「確認なし」があります。
  • Pi は確認を求めずにツールを実行するため、権限の設定はありません。

変更する場所は次のとおりです。

  • セッションごと:セッションの「編集」フォーム(「権限」、または「すべての権限確認をスキップ」チェックボックス)。ターミナルビューでは、ステータスバーの権限の項目(「権限:確認」/「権限:スキップ」、または現在のモード名)。会話ビューでは、メッセージ入力欄の下にある権限の設定。
  • 新規セッションのデフォルト:「設定」▸「エージェント」▸「権限」。ステータスバーと会話ビューのメニューにも「既定にする」があります。

変更の内容によっては、エージェントを再起動するまで反映されないものがあります。その場合、VelaTerm は「今すぐ再起動」と「後で」を提示します。再起動すると会話は再開されますが、実行中のタスクは中断されます。「確認なし」「フルアクセス」「すべての権限確認をスキップ」はすべての確認を省略するため、注意して使ってください。

7. 起動設定とインストールガイド

起動引数。 セッションの「編集」フォームにある「起動引数(任意)」で、そのセッションのコマンドライン引数を追加できます。「設定」▸「エージェント」では、エージェントの種類ごとにデフォルトを設定できます。

実行ファイルのパス。 エージェントが PATH の通っていない場所にインストールされている場合は、「設定」▸「エージェント」でその「実行ファイルパス(任意)」を設定します。空欄の場合、コマンドは PATH から検索されます。

設定 · エージェント

インストールされていない場合。 インストールされていないエージェントを起動すると、「<Agent> がインストールされていません」というカードが、お使いのシステムに推奨されるインストールコマンドとともにセッションに表示されます。

  • 「今すぐインストール」を選ぶと、セッション内でコマンドを実行します。インストールされたプログラムが見つかるとそのパスが設定に保存され、「今すぐ再起動」と「後で」を選べるダイアログが表示されます。
  • 「起動を再試行」は、セッションをもう一度起動します。エージェントを自分でインストールした後などに使います。
  • エージェントがすでに PATH の通っていない場所にインストールされている場合は、「実行ファイルのパス」に完全なパスを入力して「このパスを使う」を選ぶか、「参照…」を使います。
  • 「インストール手順」はエージェントのインストールドキュメントを開き、「自分でインストールする」はカードを閉じます。

インストール後も、各エージェントでそれぞれログインするか、API キーを設定する必要があります。

8. Info パネル:使用量、コンテキスト、リソース

エージェントセッションを開いているとき、右パネルの Info タブには次の内容が表示されます。

Info パネル

  • Agent:エージェントの種類、セッション名、作業ディレクトリ、Git ブランチ、開始時刻、稼働時間です。Kiro のセッションでは、会話履歴を読み取り専用で表示するリンクもあります。
  • Usage(Claude、Codex、Grok Build):アカウントのクォータの使用量です。たとえば5時間と7日間の枠が、それぞれのリセット時刻とともに表示されます。↻ ボタンを押すと、すぐに更新されます。自動更新とその間隔は「設定」▸「動作」(「Usage auto-refresh」「Usage refresh」)で設定します。更新に失敗した場合は、最後に取得した値が「stale」のマーク付きで表示されたままになります。
  • This turn(Claude、Codex、Grok Build、OpenCode、Pi、OMP、Kiro):モデル、コンテキストウィンドウの使用率、現在のターンのトークン数とツールです。
  • Resources:セッションのプロセスの CPU とメモリの使用量です。「system」オプションを選ぶと、コンピューター全体の数値も表示されます。

9. トランスクリプト、エクスポート、アーカイブ

  • 右クリックして「セッションをエクスポート…」を選ぶと(Claude と Codex で、会話がある場合)、推論と、すべてのツール呼び出しの入力と結果を含めて、会話全体を Markdown ファイルに書き出します。
  • セッションのメニューの「セッションナレッジベースに整理」を選ぶと、エージェントが会話から再利用できるナレッジを抽出します。セッションナレッジベースを参照してください。
  • アーカイブ済みセッションは、ナレッジベースの「アーカイブ済みセッション」ビューで読めます。Claude、Codex、OpenCode、Pi、OMP、Grok Build、Kiro の会話はメッセージとして表示され、その他のエージェントでは、ターミナルの録画があればそれが表示されます。アーカイブ済みセッションを復元しても会話 ID は保持されるため、通常どおり再開できます。インターフェースとセッション管理の§8 を参照してください。

10. その他の動作

  • 自動命名:名前を付けなかったセッションには、最初のメッセージから名前が付けられます。
  • テーマの変更:ライトとダークを切り替えると、ターミナルビューで実行中の Claude セッションにも再起動なしで反映されます。
  • Vela Skills:「設定」▸「一般」▸「Vela Skills」で、Claude Code と Codex 用のスキルをインストールできます。これらのスキルを使うと、エージェントが子セッションの起動、ファイルを開く操作、他のセッションの読み取りやメッセージの送信を行えます。セッションコマンドを参照してください。
  • Windows:Claude Code と Codex は完全に対応しています(PowerShell で動作します)。その他のエージェントはベストエフォートで提供しています。