ユーザーマニュアル

ターミナルの使い方

この章では、ターミナルそのものについて説明します。入力と出力、ターミナル内検索、コピーと貼り付け、画像の貼り付け、コマンド候補、組み込みの v コマンド、vrun で起動するバックグラウンドのコマンド、Windows でのシェルの選択、セッションの記録、レンダラーの設定、ショートカットを扱います。

1. 基本

ターミナルセッションでは、実際のシェルが動作します。macOS と Linux ではシステムのデフォルトシェル($SHELL)、Windows ではデフォルトで cmd が使われ、変更もできます(§7 を参照)。作業ディレクトリはデフォルトでプロジェクトのルートです。セッションの編集フォームでは、「作業ディレクトリ(空欄でプロジェクトルート)」を変更したり、セッションの起動のたびに実行する「起動コマンド(任意)」(例:pnpm dev)を設定したりできます。

複数のエージェントが同時に大量の出力を生成する場合、VelaTerm はユーザーの入力と表示中のタブを優先し、バックグラウンドのタブからの出力を抑制します。この動作は、「設定」▸「詳細設定」▸「フォアグラウンド優先出力」(デフォルトでオン)で制御します。タブを切り替えた後に全画面表示のプログラムの表示が乱れた場合は、ペインのヘッダーにある「再描画」ボタンをクリックすると描画し直されます。「設定」▸「詳細設定」▸「タブ復帰時に再描画」を有効にすると、タブが表示されるたびに自動的に再描画します。

2. ターミナル内検索(⌘F)

⌘F を押すと、現在のターミナルのスクロールバックを検索する検索バー(「ターミナル内を検索」)が、前へ・次へのボタンとともに開きます。

ターミナル内検索

セッションや履歴をまたいで検索するには、全セッション検索(⌘⇧F)を使います。詳しくはインターフェースとセッション管理を参照してください。

3. コピーと貼り付け

  • マウスでテキストを選択し、⌘C / ⌘V またはコンテキストメニュー(「コピー」「貼り付け」「すべて選択」「画面をクリア」「検索…」)を使います。
  • マウス操作を取り込むプログラム(vim、htop、多くのエージェントの画面)の中では、macOS では Option キー、Windows と Linux では Shift キーを押しながらドラッグすると、通常のテキスト選択を強制できます。
  • Claude Code や Codex などのエージェントの画面は、自らテキストをコピーできます。エージェントがコピーした直後で、ターミナル内で何も選択されていない場合、コンテキストメニューに「N 文字を自動コピー · ⌘V で貼り付け」と表示されます。

4. 画像の貼り付け

コマンドラインのエージェントに画像を渡すには、ターミナルに画像を貼り付けるか、ドロップします。「設定」▸「ターミナル」▸「画像の貼り付け」には、2つの選択肢があります。

  • ファイルパスを貼り付け(デフォルト):画像を一時ファイルとして保存し、そのパスをプロンプトに挿入します。ファイルを読めるエージェントであれば、どれでも画像を開けます。Codex には image_path: … として渡されます。
  • ネイティブ画像貼り付け:Claude Code または Codex がシステムのクリップボードから画像を読み取り、独自の画像プレースホルダーを表示します。このオプションはローカルのデスクトップアプリでのみ使えます。リモートのセッションでは、エージェントが自分のマシン上で画像を読めるよう、常にファイルパスを貼り付けます。

「設定」▸「動作」▸「貼り付け画像の自動クリーンアップ」を有効にすると、アプリの終了時にこれらの一時ファイルを削除し、起動時には24時間以上前の残りのファイルを消去します。「今すぐクリーンアップ」を選ぶと、すぐに削除します。ドキュメントに挿入した画像が削除されることはありません。

5. コマンド候補

macOS と Linux の通常のターミナルセッションでは、シェル自体の補完定義から作成した候補の一覧を表示できます。「設定」▸「ターミナル」▸「コマンドの補完候補」で、「自動表示」(デフォルト)、「Tab で表示」「オフ」のいずれかを選びます。矢印キーで候補を選び、Tab キーで挿入します。Enter キーを押すと、常に入力したとおりにコマンドが実行されます。選択をそれ以上動かせないときは、↑ キーと ↓ キーの操作がシェルに渡されるため、最初の候補で ↑ キーを押すと前のコマンドを呼び出せます。この一覧は Windows では使えません。詳しくはコマンド候補で説明しています。

6. 組み込みコマンド

VelaTerm が起動するすべてのセッションでは、短いコマンドのセットが PATH に含まれています。インストールは不要で、通常のターミナルでもエージェントセッションでも使えます。

コマンド用途
vopen <file or URL>...ファイルをドキュメントタブで、Web アドレスをブラウザタブで開く(後述)
vspawn <task> / vspawn-tree <task>VelaTerm に子セッションの起動を依頼する。vspawn-tree は別のワークツリーを割り当てる
vrefer <session>他のセッションの会話を読む
vsearch <words...>すべてのセッションの内容を検索する
vstat作業中または待機中のセッションを表示する
vtell <session> <message>他のセッションにメッセージを送信する
vkb <subcommand>ローカルナレッジベース、セッションナレッジベース、コードグラフを照会する
vrun <label> <command...>時間のかかるコマンドを実行し、完了を待つ(§6.1 を参照)
vflow計画・実行セッションで計画セッションが使う

コマンドに --help を付けて実行すると、オプションを確認できます。各コマンドの詳細はセッションコマンドで説明しています。これらのコマンドの多くは、Claude Code(/vopen)と Codex($vopen)の中でスキルとしても使えます。vrun と vflow にはスキルがなく、vask はスキルとしてのみ提供されます。スキルは、「設定」▸「一般」の「Vela Skills」ボタンでインストールします。

vopen は、ファイルの種類に応じて表示方法を選びます。

vopen README.md          # Markdown → Markdown editor
vopen src/main.rs        # source code → code editor with syntax highlighting
vopen diagram.png        # image → image viewer
vopen https://crates.io  # web address → browser tab (desktop app only)

相対パスは現在のディレクトリを基準に解決され、複数のファイルを一度に開くこともできます。ドキュメントタブについてはドキュメントとブラウザタブ、vspawn についてはセッションの生成とGitによるコラボレーション、vkb についてはコードグラフとナレッジベースとローカルナレッジベースで説明しています。

6.1 バックグラウンドのコマンド(vrun)

vrun <label> <command...> はコマンドを起動して完了まで待ち、終了コード、経過時間、ログの末尾を出力します。そのため、時間のかかるビルドやテストを vrun で開始したエージェントは、結果が出た時点ですぐに知ることができます。セッションを閉じても、コマンドは停止しません。vrun --status <label> は以前に起動したコマンドの状態を報告し、-t <seconds> は待機時間を設定します(デフォルトは1800秒)。待機がタイムアウトすると、vrun は終了コード 124 で終了し、コマンドは実行されたまま残ります。

こうしたコマンドの実行中は、ターミナルの上に「バックグラウンドのコマンド」の行が表示されます。各項目には、ラベルと「実行中(…)」、コマンドの出力を開く「ログ」ボタン、「停止」ボタンが表示されます。「停止を確定」をクリックすると、コマンドが終了します。実行中のコマンドがなくなると、この行は消えます。

7. シェルの選択(Windows のみ)

Windows では、ターミナルセッションで、検出された任意のシェルを使えます。対象は PowerShell、pwsh、cmd、Git Bash、インストール済みのすべての WSL ディストリビューションです。シェルは、「新規ターミナル」サブメニュー、セッションの編集フォームの「シェル(空欄でシステム既定)」、右クリックの「シェル」メニューのいずれかで選びます。実行中のセッションは、新しいシェルですぐに再起動します。「設定」▸「ターミナル」▸「既定のシェル」では、シェルを明示的に選んでいない新しいターミナルのシェルを設定します。

WSL の項目は、インストール済みのディストリビューションを WSL が報告した場合にのみ、WSL: <distribution> として表示されます。項目を選ぶとそのディストリビューションが起動し、セッションの Windows 側のプロジェクトディレクトリがその中にマッピングされます。WSL は通常のターミナルセッションでのみ使え、エージェントセッションは引き続き Windows ホストのシェルを使います。組み込みの v コマンドは、WSL のターミナル内では使えません。

同梱の Git Bash について:full 版のインストーラーには、完全な Git Bash(git、ssh、perl を含む)が含まれます。min 版のインストーラーには主要な一部だけが含まれ、含まれていないコマンドを実行すると完全版のダウンロードが提案されます。完全版は、右クリックの「完全版 Git Bash をダウンロード」からも入手できます。エージェントセッションは PowerShell を使うため、影響を受けません。

macOS と Linux にはシェルの選択機能はなく、セッションはシステムのデフォルトシェルを使います。

8. セッションの記録

「設定」▸「詳細設定」▸「セッションログを記録」は、デフォルトでオフです。オンにすると、VelaTerm はターミナルビューで動作するエージェントセッションのターミナル出力を、セッションごとに最大 50 MB までローカルのログファイルに保存します。通常のターミナルセッションは記録されません。

記録があると、アーカイブ済みのセッションを画面に表示されたとおりに再生でき、画面のテキストも検索できるようになります。VelaTerm が記録を使うのは、エージェント自身の会話の記録を読み取れない場合だけです。それ以外の場合は、閲覧と検索に会話の記録が使われます。記録ファイルは、セッションとともに削除されます。

9. レンダラー

「設定」▸「詳細設定」▸「ターミナルレンダラー」では、DOM(デフォルト)と WebGL を選べます。デスクトップアプリでは DOM をお勧めします。以前のバージョンには Canvas レンダラーもありましたが、このオプションは廃止され、Canvas を選んで保存していた場合は DOM が使われます。

10. よく使うショートカット

次の表は、macOS のデスクトップアプリのデフォルトです。Windows と Linux のアプリでは、ほとんどの操作で ⌘ の代わりに Ctrl+Alt を使います(下に分割は Ctrl+Alt+E、全セッションの検索は Ctrl+Alt+G で、保存は Ctrl+S のままです)。ブラウザのクライアントでは、ブラウザ自体のショートカットと重ならない、Ctrl ベースのデフォルトを使います。「設定」▸「ショートカット」にはお使いのシステムでの実際の割り当てが表示され、タブの切り替えとフォントサイズを除くすべての操作の割り当てを変更できます。

操作ショートカット
プロジェクトを開く⌘O
新規ターミナル⌘T
エージェントセッションを新規作成⌘N
新規ブラウザタブ⌘⇧B
ペイン/タブを閉じる⌘W
右に分割 / 下に分割⌘D / ⌘⇧D
ターミナル内を検索⌘F
全セッションを検索⌘⇧F
ドキュメントを保存⌘S
N 番目のタブに移動⌘1〜9(固定。macOS のデスクトップアプリ以外では Ctrl+1〜9)
ターミナルのフォントを拡大 / 縮小 / リセット⌘+ / ⌘- / ⌘0(固定。macOS のデスクトップアプリ以外では Ctrl+ / Ctrl- / Ctrl+0)